代表取締役頭取 大矢 恭好
コロナ禍で地域経済の基盤が大きく揺らぐなか、地方銀行は金融機関としてどのようなミッションを掲げ、どのような取り組みを実施しているのだろうか。総資産で地銀トップを誇る横浜銀行(総資産額は単体で16兆8696億円)の大矢恭好頭取に昨今の地域経済の現状とともに、コロナ禍における取り組みや人材育成にかける思いなどについて聞いた。
当行のエリア(神奈川県と東京都)には付加価値の高い企業が数多く存在します。そういった企業の多くは、地価も人件費もコストも高いこのエリアにおいて、バブル崩壊やリーマンショックを経て生き残ってきたわけですから、かなりの底力を持っているのです。実際、神奈川県は一都三県のなかで企業の自己資本比率がもっとも高いことで知られています。
しかし、コロナ禍によってその様相は大きく変わりつつあります。とりわけその影響は飲食、宿泊といったサービス業において顕著にみられます。実際、このエリアには横浜や箱根といった観光地があるため、その一帯の観光関連産業などは大打撃をこうむっています。特にここ数年はインバウンドによる収益が大きく、これがほぼゼロになったことが響いているようで、東京オリンピックの開催や豪華客船の寄港などをアテにしていた事業者はまさに苦境に陥っています。
一方で製造業は比較的、堅調です。たとえば、半導体を取り扱っているモノづくり企業は、コロナ禍においても5Gの普及が進んでいることが追い風となっており、関連先も含めて業績が伸びています。ただ、一概に製造業全体が好調というわけではなく、グローバルな取引が多いところはやはり苦戦を強いられています。当行のエリアには日産のグローバル本社があるなど、多くの自動車関連企業が集積していますが、現在は内需頼みになっているため厳しい状況にあります。
ここ数年、日本ではマイナス金利が常態化していましたが、コロナ禍によってさらに優遇措置に拍車がかかっています。また、当行をはじめ、多くの金融機関がコロナ禍において積極的に新型コロナウイルス対策関連の融資を実行しているため、売り上げが激減している企業がある一方で、余剰資金が豊富にある企業が増えています。当面はこうした優遇措置のおかげで、多くの企業は窮地を乗り切ることができるのではないでしょうか。
ただし、中長期的にみると、数年後に大きな山場があることを忘れてはいけません。こうした優遇措置には一定の返済猶予期間や無利子期間が設けられていますが、それでもその期間が過ぎれば、当然、返済義務をはたさなければならないからです。それまでにウィズコロナに対応したビジネスモデルや売り上げの柱を構築できなければ、途端に窮地に追い込まれてしまうでしょう。
当行ではここ数年、「お客さまとの接点拡大と取引の深化」に注力してきましたが、この方針により一層、力を入れていきたいと思います。支店をはじめとした現場において、しっかりと各企業の課題やニーズを把握し、それに対して私たちのサービスやネットワークを最大限に活用していくことが重要になると考えています。一例をとれば資金調達ひとつとっても、その手法は多岐にわたります。当行が直接融資を実行したほうがいいケースもあれば、CP(コマーシャル・ペーパー:短期の無担保約束手形)やSB(ストレートボンド:普通社債)を活用したほうがいいケースもあるでしょう。その最適解を企業とのヒアリングを通して提案し、成長を促すことが肝要なのです。
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