現場とソリューション営業部が連携して提案力を発揮
ウィズコロナ社会を生き抜く企業をつくる

横浜銀行

代表取締役頭取 大矢 恭好

 コロナ禍で地域経済の基盤が大きく揺らぐなか、地方銀行は金融機関としてどのようなミッションを掲げ、どのような取り組みを実施しているのだろうか。総資産で地銀トップを誇る横浜銀行(総資産額は単体で16兆8696億円)の大矢恭好頭取に昨今の地域経済の現状とともに、コロナ禍における取り組みや人材育成にかける思いなどについて聞いた。


横浜銀行
 2020年に創業100周年を迎える横浜銀行は、神奈川県と東京都を中心に200以上の店舗を構え、そのネットワークを最大限に活用して顧客ニーズにきめ細かく対応しながら、地域経済の活性化に努めている。また、持ち株会社のコンコルディア・フィナンシャルグループ傘下である東日本銀行をはじめ、その他の金融機関とも緊密な連携体制を構築し、幅広い情報を必要とするM&Aのマッチングなどにも精力的に取り組んでいる。

キャリアサマリー
1985年 一橋大学商学部卒業
1985年 横浜銀行入行
2010年 リスク統括部長兼コンプライアンスオフィサー
2011年 執行役員経営企画部長
2012年 取締役執行役員経営企画部長
2013年 取締役執行役員経営企画部長、ブランド戦略本部副本部長
2014年 取締役常務執行役員、ブランド戦略本部副本部長
2015年 代表取締役常務 執行役員
2016年 コンコルディア・フィナンシャルグループ代表取締役
2018年 コンコルディア・フィナンシャルグループ取締役兼横浜銀行代表取締役頭取
2020年 コンコルディア・フィナンシャルグループ代表取締役社長、全国地方銀行協会会長

目 次

4具体的な取り組みについてお聞かせください

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 当行では3年ほど前からビジネスエクイティローン(劣後ローン:返済順位は低いうえに、自己資本に算入できるローン)を商品化していますが、コロナ禍以降は最大15年間、元本返済の必要がないうえに、業績悪化時は金利が下がり、業績が回復すると通常金利になるという仕組みの劣後ローンを提供しています。この劣後ローンは特にウィズコロナの時代を見据えている企業にとって、財務を傷つけることなく資金調達ができるので非常に有効です。もちろん、返済順位が低いということは当行にとってリスクになりますが、そのリスクをとってでも、まずは地域企業の活性化に尽力していかなければならないので、現場にも積極的にこの商品を提案するように指示しています。

5リスクを軽減するために実施していることがあればお聞かせください

 コロナ禍ということもあって、正直、当行としてのリスクが高くなっているのは事実です。ですが、やはり地域企業が地域の経済や雇用を支えているので、当行としてはできるかぎりリスクを受け入れるようにしています。
 ただ、これからは企業の資金調達を支援するだけではなく、中長期的な視点で、企業のキャッシュフローの改善に努めることも重要です。当行としても資金調達のみならず、ビジネスコンサルティングやビジネスマッチングといった分野で積極的に企業をサポートし、ウィズコロナ社会における企業の持続的な成長に貢献したいと考えています。
 こうしたなかで中心的な役割をはたしているのが、当行のソリューション営業部です。この部署のミッションは現場がキャッチした企業のニーズや課題をもとに、ソリューションを提案することであり、その領域は資金調達から事業承継、M&Aと実に多岐にわたっています。とりわけ近年は事業承継や規模拡大を目的としたM&Aが増えていますが、おそらくコロナ禍の影響でその件数は今後、さらに増加していくと思われます。そういったニーズに柔軟に対応できるのが地銀の強みですから、引き続きそのあたりはブラッシュアップしていきたいと考えています。

6人材育成についてはどのような取り組みを実施していますか

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 当行の経営資源のなかでもっとも大きな割合を占めているのは「人」です。私が頭取になってからは特に専門家を増やすことに力点を置き、金融業界のみならず、幅広い分野の専門家を中途採用してきました。
 他方、プロパー人材の育成にもこれまで以上に真剣に取り組みはじめており、この7月には行内にタレントマネジメント委員会を立ち上げ、行員一人ひとりのタレントポートフォリオを作成しはじめました。部長職クラスの人材が何人いるか、海外経験者が何人いるかなどの指標を盛り込んだポートフォリオを作成しています。こうすることで、一目で当行にどのような人材が所属しており、どの部署にどんな人材が不足しているかがわかるようになるので、今後はより効率的に人材育成に取り組んでいきたいと思います。

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