山本 麻記子さんの写真

山本 麻記子 やまもと まきこ

弁護士は天職、日英の弁護士資格でクロスボーダーM&Aに従事

所属企業 TMI総合法律事務所
役職 パートナー弁護士
最終学歴 ケンブリッジ大学法学修士課程(LL.M.) 、 BPP Law School Graduate Diploma in law

目 次

キャリアサマリー

  • 2000年

    10月 東京弁護士会登録 TMI総合法律事務所勤務

  • 2005年

    7月 ケンブリッジ大学法学修士課程(LL.M.)修了
    9月 ロンドンのシモンズ・アンド・シモンズ法律事務所勤務

  • 2006年

    9月 TMI総合法律事務所復帰

  • 2008年

    9月 BPP Law School にてGraduate Diploma in law 続いて Legal Practice Course 受講(distinctionの成績で修了)

  • 2011年

    9月 英国事務弁護士solicitor試験 (QLTS) 合格

  • 2012年

    2月 英国事務弁護士solicitor資格登録
    6月 ロンドンのシモンズ・アンド・シモンズ法律事務所勤務

  • 2014年

    9月 TMI総合法律事務所復帰

  • 2016年

    1月 パートナー就任
    6月 株式会社スターゼン社外監査役就任(~2020年)

  • 2018年

    6月 株式会社シグマクシス社外取締役就任
    12月 弁理士試験委員就任

  • 2019年

    6月 武蔵精密工業株式会社監査等委員である取締役(社外)就任

  • 2020年

    2月 福岡弁護士会登録 TMI総合法律事務所福岡オフィス勤務
    3月 株式会社アシックス社外取締役就任

弁護士登録後英国留学に出る前は、主に知的財産に関する事案を手掛けていました。とても興味深くて好きな分野で、将来は知財弁護士として留学して、帰国してまた主に知財の分野で仕事をするものだと思っていました。他方、当時事務所には部門の概念がなく、刑事に家事、ジェネラルコーポレート、医療過誤を含む紛争案件など、あらゆる分野の事案を担当する機会に恵まれ、弁護士とは何を聞かれても一通りの法律面のアドバイスはできなければならない職業であり、それが魅力でもあると考えていました。時代もあり、留学前に経験したM&Aは数件のみ。対象会社の会議室でバインダに綴じられた契約をめくるDDを担当して、一部レポートを書いた程度の関与でした。

1M&Aアドバイザリーを始めたきっかけ

留学から再渡英まで

イメージ

 弁護士の留学先はアメリカが定石でしたが、TMIで交流のあったイギリス人との縁等からイギリスの大学にのみ願書を出しました。ケンブリッジ大学のLL.M.は、比較的小規模(日本人は私と官庁出向者のみ、中国人一人)ながら、中南米、アフリカを始めとするコモンウェルスに属する国々や、英米欧からの様々なバックグランドの留学生に出会い、グローバルな一般教養を学び、差別を含む多くの新しい経験をした大変貴重な一年でした。LL.M.修了後はロンドンの大手事務所のIPチームで研修しましたが、ロンドンの日本人コミュニティで出会う方から受けたご相談やご依頼を頂く内容は会社法関係が主だったため、コーポレートチームと一緒に仕事をする件が多くありました。
 帰国後は、英語案件であれば何でも手掛け、英語のM&Aに関わる機会も得た上で、ほどなくしてまた渡英し、ロンドンにある日本の大手商社の法務部に出向勤務しました。日常的な法務業務に加え、欧州及びアフリカの投資と紛争案件を担当したため、英国及び各国弁護士と協働する機会も多く、クライアント側で、英国流のプロジェクト案件、M&A案件を学ぶこともできました。

英国弁護士資格取得

 再渡英したときは一生を英国で終える可能性が高い見通しであったため、天職と考える弁護士業を全うするためには英国でも資格を取ることが必要と考えました。そこで夜間のロースクールに入学し、学部生と同様の英国諸法及びEU法(当時はBrexitという言葉もありませんでした)の勉強をしました。判例法の国ですから、法律の名前と条文を覚えればよいわけではなく、科目ごとに多ければ100以上の判例を覚えます。判例の名前は人や会社の名前が入ることが多いので、まず多数の名前をスペルから覚えることが必要でした。母国語ではない言語で、共通の歴史や社会背景のない外国人が弁護士になるには、法体系や価値観や発想の違いというレベル以前に、こんなところにもハードルがあるものだと実感しました。LL.M.も同様に、当時試験は全て手書きでしたから、正確なスペルは覚えていないけれど試験官の目には判別してもらえるよう祈りを込めて筆記したものです。むしろPC受験だったら私は良い点数を取れていなかったかもしれません(笑)。
 コース在学中後期に、外国弁護士資格保有者が試験に受かれば実務研修なく英国弁護士資格を得られる新しい制度が始まりました。択一と記述式、口述試験と日本で受けた司法試験同様の構成であることと、公式にリリースされた予想問題以外は、過去問や対策予備校も殆どないという情報不足の中、他の受験生も米国などの弁護士資格は持つものの、私は英国法も勉強して知識はあるので口述試験さえ乗り切ることができればと挑戦したところ、すべて一度目のトライで合格出来ました。緊張した3日に渡る口述試験の一組が12名、一割強が落ちる試験でアジア人は私一人でしたから、合格は本当に嬉しかったです。

英国弁護士資格取得後

 再び英国の大手法律事務所に、今度はコーポレートチームのアソシエイトとして戻り、殆どクロスボーダーのM&Aだけを手がけました。M&Aロイヤーとして素晴らしい知識経験を持ち、人間的に尊敬できるパートナーが、英文メールからSPAなどの書面、そして交渉スタイルまで指導してくれたことは本当にありがたく、彼ら、そして同時期に別部署に出向していた中国人弁護士とは、生涯の友人として強い絆を築きました。

2今現在のM&Aアドバイザリーの概要

 日英の弁護士資格を持ち、両国の法律事務所で実務経験を積んでいるプラクティショナーの一人目として長らく英国に留まる想定から一転して急に帰国となったときは、上場直後の国内企業に一年間出向し、複数のクロスボーダーM&Aを担当しつつ、経験のない法務部員の方々にトレーニングをする役割が決まっていました。その任務を終えて事務所に戻った後もこれまで、クロスボーダーの案件のアドバイザリー業務がほとんどで、英語が絡まないクライアント・案件は稀です。インバウンドとアウトバウンドは半々のイメージですが、M&Aのみならず、企業の他国展開とそれに伴う拠点の会社設立、JV、商業契約や関連する紛争もアドバイスしており、事務所の仲間と共に幅広い業務に対応しています。クロスボーダーのM&Aで多いのは、やはり英国を含むコモンウェルス諸国との案件です。英国以外では、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、インド、ミャンマー、南アフリカ、ケニア等々、時に米国との取引も担当させていただいています。
 日本企業をクライアントとするアウトバウンドのアドバイザリーの主軸は、①現地弁護士のコントロールと連携、②現地法や実務の説明及びデューディリレポートを含む文書の解説、③書面チェック(クライアントの意向の反映)、④交渉その他コミュニケーションサポート、⑤社内説明のサポート、に分類できるかと思います。クライアントにより、法務チームやディールチームが担当できるタスクが異なりますので、陣容や経験等により、どの程度のサポートとするかを都度ご相談します。既に数件クロスボーダーを経験されたチームであれば、その地域の特殊性に焦点を当て、現地弁護士との連携の中で法律のテクニカルな点のサポートや、電話会議等のフォローをしたり、マネジメント層への説明資料における現地法制度のインプットなど限定的、軽めのサポートで、社内法務チームのsupervisorのようにも動きます。他方、法律面でクロスボーダーディールを推進できる担当者がいない会社の場合(弁護士資格を持ち、またバイリンガルの法務部員のいる会社も増えていますが、実際のクロスボーダーディールの経験がなければ、流れや各作業イメージを持つことも困難です。)、所内でチームを組んで、丁寧にサポートさせて頂きます。現地事務所の選定手続き(pitch)から、請求書の精査や見積もりと対比しての減額交渉等まで行うこともよくあります。
 なお、この数年は、TMIに移籍入所された岩倉正和先生の下で国内・クロスボーダー両方でこれまで手掛けた案件より格段に規模の大きいM&A案件を担当させて頂く機会にも恵まれ、引き続き勉強し、研鑽を積んでおります。

3独自の強みと今現在の仕事との関係性

 独自の強みは、英国の弁護士資格と英国現地での実務経験で、欧州やコモンウェルスの様々な国の弁護士との協働経験に基づいて、また私自身が人と向き合うことが好きなので、言語に関わらずいち早く広いチーム内で良い人間関係を築き、コミュニケーションを密に保てる環境を作ることが出来ることです。英国法は、コモンウェルス諸国において基礎となっていますので、英国法の知識は、非常に役に立ちます。英米でも法制度、言葉の使い方も異なるところ、日本人弁護士の多くは米国式を留学で学んで戻り、それを中心に考えるのに対して、米国を除く世界では英国式が広く普及していますから、英国法を基軸とする私の知識や経験には強みがあり、それをフルに活かして今現在の仕事を行っています。

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