大野 聡子さんの写真

大野 聡子 おおの さとこ

会計士が幅広い分野で活躍し続けられるエコシステムを

所属企業 アライドアーキテクツ株式会社
役職 経営企画室長兼コーポレート本部長
最終学歴 早稲田大学商学部
出身地 東京都
現住所 東京都

目 次

キャリアサマリー

  • 1998年

    朝日監査法人(現 有限責任あずさ監査法人)入社

  • 2002年

    公認会計士登録

  • 2002年

    長女出産

  • 2004年

    仕事復帰、品質管理部へ

  • 2009年

    金融事業部へ異動

  • 2014年

    ピクスタ株式会社常勤監査役就任

  • 2019年

    ピクスタ株式会社常勤監査役を任期満了で退任
    アライドアーキテクツ株式会社経営企画室長就任

  • 2020年

    アライドアーキテクツ株式会社経営企画室長兼コーポレート本部長就任

1IPO準備会社に関与したきっかけ

イメージ

監査法人に入社してから、主としてメーカーの監査業務に従事し、日本全国を飛び回る日々を過ごし、出産後は監査法人の品質管理部へ異動。数年間の監査法人という組織のバックオフィスの経験の後、金融事業部へ異動し監査業務に復帰。マネジャーとしてある程度の責任と権限と自由が与えられ、そこそこ楽しく過ごしていたところ、先の昇進が見えたところで、「気力体力があるうちに、新しいチャレンジがしたい」という気持ちが強くなり、退職を決意しました。
退職を決意したところまでは良かったものの、転職なんて人生で初めてのことで、転職にあたって検討すべき要素も分かっていなければ、その中で自分が何を一番大事に思っているのかとエージェントの方に聞かれても、まったく答えられないという状況に陥りました。その挙句、エージェントの方に「今のままでいるというのが、一番いい選択肢なのでは?」とまで言われてしまう始末でした。それでもやはり、新しい環境に身を置いて違う人生を歩んでみたいという一心で動いていたところで、TAC時代からの親友の上司の方がIPOコンサルとして独立されており、IPO前のベンチャーの監査役というポジションをご紹介いただきました。
監査法人時代には、ベンチャー企業の監査に携わったこともなく、転職にあたって報酬が減ることは避けたい最大のポイントの一つであったにも関わらず、逆にあまりにも想定外だったせいか、なぜか気持ちを動かされてベンチャー企業の監査役というポジションに就きました。結果的にその判断は大正解、役員は監査法人以外の世界を知らなかった「蛙(かわず)」な私を、リスクを取って受け入れてくれた上に、入社後1年で東証の鐘を鳴らす機会に恵まれ、M&Aも当事者として検討段階からPMIまで経験、そして会社のマネジメントの楽しさと難しさを経験させていただき、充実した4年半を過ごさせていただきました。

2当時の立場とIPO

常勤監査役という立場でのIPOへの関与は、オフィシャルに表に立つことはありませんでしたが、証券会社や東証への提出資料のチェックを通じた管理部門のバックアップを行っていました。監査法人時代に見聞きした「上場会社の完成形」を意識しながら、会社法や会計の知識を総動員して、開示書類・提出書類の書き方や、社内の体制の構築や改善についてのアドバイスを行っていました。
一方で、自ら動いたという意味では、社内の意識改革にはかなり労力を割きました。上場前の会社は体制もできていない、人もいない、また管理も緩めになされていたところ、あるべき上場会社の姿と現状のギャップを客観的に見極め、優先的に完全すべきところと後でもよいことの見極め、また合格水準に持っていくためのプロセスなどを熟慮すると同時に、マネジメントに対しても、社内のメンバーに対しても、「上場の目的と上場することの意味」そして「上場会社に求められること」とことを、日々のコミュニケーションを通じて少しずつ浸透させていただくことを意識していました。
人の意識を変えるというのはとても難しいことですし、やらなければならないことが増えると抵抗も当然に生まれます。その意味では、この経験を通じて、私自身の人間力が試されていたのかもしれません。

3独自の強みと今現在の仕事との関係性

そしてIPOから3年半が経ち、会社の体制も整ってきたところで、私自身の役目は果たしたと実感し、新たなチャレンジをすべく任期満了で退任することとしました。 
現在は、マザーズ上場会社で経営企画室長兼コーポレート本部長を兼務しており、有価証券報告書の作成からIR、そして法務・人事・インフラなど幅広い分野をカバーしています。IPOという意味では、私が入社したときには既にIPO後数年が経過しており、むしろ将来的な成長を見据えた社内管理の強化などを進めるのが大きな役割となっています。
上場はゴールではありません。上場した後、パブリック・カンパニーとして、資本市場の一角を担う存在として、あるべき姿は常に追い求めなければなりません。管理会計と財務会計の両方の責任者というポジションでもあり、またコーポレート・ガバナンスコードの見直しや会社法改正、SDGsやESGへの対応など、会社の内部で上場会社に求められることはさらに高度化・複雑化しています。一方で、会社の事業と数値を理解し、それを株主や投資家を中心とした外部のステークホルダーに適切に説明し、企業価値=株価を上げていくというIRを中心とした対外的なコミュニケーションも、頻度高く丁寧に、説得力を持って行っていくことが求められています。自分では完璧にできているとは思いませんが、それでも内部の管理体制が強くなり、株価も上がってきたりと一定の成果は出ていることを考えると、間違ってはいないのかなと思っています。
このように、監査法人→監査役→中の人と、「会社」というものに様々な立場で関わってきた経験こそが自分自身の強みというかユニークな部分だと考えており、将来的にはこの経験を資本市場や会計士業界にもフィードバックしていければと考えています。

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