日本企業の「創生と再生」のため 戦略立案、ディール、PMIを一気通貫でサポート
生年月日 | : | 50代 |
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所属企業 | : | 株式会社NTTデータ経営研究所 |
役職 | : | M&Aグループ パートナー |
最終学歴 | : | Temple University Fox School of Management (MBA) |
出身地 | : | 東京都 |
現住所 | : | 東京都 |
1990年
慶應義塾大学経済学部卒
株式会社三菱銀行(現 三菱UFJ銀行)
1999年
KPMGコーポレイトファイナンス株式会社(現 株式会社KPMG FAS)
ディレクター
2006年
Temple University Fox School of Management にてMBA取得
2009年
米国公認会計士(ワシントン州)ライセンス取得
2010年
株式会社ローランド・ベルガー プリンシパル
2013年
新日本有限責任監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)
マネージングディレクター
2016年
フロンティア・マネジメント株式会社 マネージングディレクター
2018年
パナソニック株式会社 オートモーティブ社 事業開発部長
2020年
株式会社NTTデータ経営研究所 M&Aグループ パートナー
M&A戦略立案、エグゼキューション(ファイナンシャルアドバイザー、企業価値評価、ビジネス・財務デューデリジェンス等、M&Aの実行段階の業務)、PMIまで、国内及びクロスボーダーのM&Aの全ライフサイクルの実務経験を有し、関与した案件数は300件を超えます。
銀行員として名古屋に勤務していた社会人4年目の頃、融資先の社長が家業の神職を継ぐことになり、会社の事業承継の支援をさせて頂いたのがM&Aに興味を持ったきっかけです。自ら創業した会社の株式を譲渡するという、オーナー社長の一世一代の決断に営業担当者として立ち会い、事業承継が無事に完了して喜ぶ社長の姿を見て、「これは世の中の役に立つ仕事だ」と、M&Aの仕事を自分でもやってみたいと思うようになりました。また、M&Aアドバイザー、会計士、弁護士等、M&Aプロフェッショナルの仕事振りを間近で見るにつれ、組織の上下関係に関わらず、専門性・特技を持つ仲間同士が互いに尊重する文化にも魅力を感じました。その後、約5年かけて、証券アナリストや日商簿記1級の取得を通じて、ファイナンス、会計の基礎を習得、自費でM&Aセミナーを聴講するなど、自己啓発を継続しました。
1999年、銀行では既に管理職となっていました。銀行内ではM&Aは「花形職種」のため、異動を希望しても実現しませんでした。そのような時、クロスボーダーM&Aの日本の第一人者が結集し、少数精鋭でM&Aアドバイザリーを提供していたKPMGの求人広告を見つけ、ご縁があり、M&Aプロフェッショナルの世界での「丁稚奉公」を開始しました。
直前まで銀行の国内支店で法人営業を担当していた私にとって、実力本位の外資系カルチャーは180度別世界でした。周囲は私以外の全員が、海外勤務経験者か、海外MBA取得者ばかりです。何度も挫折しそうになりましたが、夢にまで見たM&Aの仕事です。「そう簡単に諦めるわけにはいかない」と自分に言い聞かせ、専門書を読むだけでなく、先輩の作成したエクセルのアウトプット、英文メールのコピーなどを「学習ノート」に貼り、何度も知識・スキルを体に覚えさせました。当時、国内でもM&Aが普及しつつあることもあって、銀行員時代に営業で身に着けた「日本的な」コミュニケーション力と企業分析力を駆使し、何とか職場で存在感を出すことができました。
当初は、ディールアドバイザー、企業価値評価、財務デューデリジェンス等の仕事からスタートしました。しかし、数年経過すると、「M&Aの成功はPMIの成功」という認識が日本でも普及しつつある中、M&Aの長い道のりの中で、数カ月間という短い工程しか担当していない自分が本当にお客様に価値提供できているのかという疑問を感じるようになりました。PMIまで経験しないと、真のM&Aプロフェッショナルとはとても言えないと思います。そこで、M&Aアドバイザーから、約20年をかけて、経営戦略コンサルタント兼M&Aアドバイザーの「ハイブリッド型」にキャリアの幅を広げてきました。
M&Aの仕事は、特にPMIまで含めると、経営知識、専門性、人間力が求められる「総合格闘技」とも言われます。お陰様で経験したプロジェクト数も300件を超え、経験知も蓄積できましたが、まだまだ未熟であると自認しており、日々、クライアント対応力の向上に鍛錬し、新たな知識も習得しています。
私の強みは、日本企業が関わる国内・クロスボーダーのM&Aプロジェクトを、戦略立案、エグゼキューション(ファイナンシャルアドバイザー、企業価値評価、ビジネス・財務デューデリジェンス)、PMIまで、ハンズオンで「一気通貫」で対応できることです。PMIでは、統合計画・戦略立案、組織設計、ガバナンス、経営管理、プロジェクト管理などの経験が豊富です。また、経験知が「机上の空論」に陥らぬよう、実務面も重視し、事業会社(パナソニック)で自動車メーカーとの合弁会社の設立プロジェクトも経験させて頂きました。
現職のNTTデータ経営研究所では、M&Aアドバイザリーと経営戦略コンサルティングを融合させた「ワンストップ」のチームを新規で立ち上げ、率いています。現職では、大企業とスタートアップ企業のオープンイノベーションに際しての業務・資本提携案件、デジタルを活用した既存事業強化・新規事業開発のためのM&A・アライアンス案件、「一気通貫」の経験を活かした企業のM&A・アライアンス推進組織の立ち上げ・強化、案件検討・PMIプロセスの改善、専門人材の育成等のプロジェクトを手掛けています。
すべてのプロジェクトを通じて心がけていることは、3点あります。
第一に、「PMIの成功にフォーカス」してクライアントを支援していることです。M&Aプロフェッショナルの世界は、担当する工程が細かく分担されており、PMIまで見通して全体最適のアドバイスができるM&Aアドバイザーは稀です。さらに、M&Aの取引成立ばかりを重視して、重要なリスクをクライアントに指摘しない、看過するアドバイザーも存在します。私は、M&A戦略立案や候補先選定のプロジェクトにおいても、クライアントの事業戦略との合致度、PMIにおけるシナジーの実現性や企業文化の融和度などの仮説を持ち、相手先の選定をします。世の中で、戦略的な目的なく売上規模の拡大のためM&Aを実施し、シナジーが全く実現せず、失敗したケースを山ほど見ているからです。また、エグゼキューション段階においてM&Aアドバイザーを務める場合も、PMIによって起こり得るリスクを軽減するため、クライアントに譲渡契約書にリスク軽減のための条項の挿入を提案し、PMI準備の早期開始を促します。
第二に、社会的意義のあるプロジェクトを受注することです。私は、M&Aは、他社とのアライアンスを通じた企業の組織変革の活動の一環であると捉えています。その理由は、M&A後の組織どうし、従業員どうしの融和の活動を通じ、各々の企業が、自社独自で外部では通用しない旧来の価値観、固定観念、思考・行動様式に気づき、シナジー実現のために自社の「古い」組織風土の変革のエネルギーが働くからです。現在、日本経済は停滞しており、企業は、イノベーションを創発して復活・再生していくことが求められています。そのために、新たなテクノロジー、人財、ノウハウの獲得により、スタートアップ企業が成長し、大企業が復活・再生していけるプロジェクトを数多く支援したいと心がけています。
第三に、プロフェッショナルとしての倫理観を保持することです。M&Aの世界では秘密保持は当然のルールです。また、国際的にアドバイザーの利益相反行為として批判も高い、「双方仲介行為」(売り手企業・買い手企業の双方から手数料を徴収すること)は一度もやったことはありません。また、業種、ビジネスモデルや取引先等との関係性において、企業倫理上、懸念のある案件も手掛けることはありません。さらに、人間としての誠実性も重視しています。PMIの現場では、両社の利害が対立しがちですが、そのような時にも「争い・不調和」ではなく、「調和」の関係構築を努めています。「調和」のスタートラインは、互いに相手企業の業歴・実績、重視している価値観、構成メンバー一人一人を尊重して接することです。
「日本経済の明るい未来のために今、最善を尽くしたい」。これがM&Aの仕事を続けている動機です。私のビジネスパーソンとしてのミッションは、「日本企業の創生と再生」です。前述の通り、私は、M&Aは文化の異なる企業同士の提携による自社組織の変革と捉えています。大企業が旧弊を打破し、再生すること、中小企業が独自性を活かし成長すること、この両方を支援していきたいと考えています。
上記ミッション活動の一環として、日本企業のM&Aの失敗や目的の曖昧なM&Aを少しでも減らしたく、2021年3月、21年間の経験知を書籍「M&A失敗の本質」(ダイヤモンド社)として刊行しました。企業経営者、M&A実務担当者、M&Aプロフェッショナルなど、多くの方々に読んで頂けると幸いです。
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