サーチファンドを活用した「人」への投資で、M&Aに新たな風を吹かせる
生年月日 | : | 1985年9月7日 |
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所属企業 | : | 株式会社Japan Search Fund Accelerator (JaSFA) |
役職 | : | 代表取締役社長 |
最終学歴 | : | 東京大学経済学部、スタンフォード大学経営大学院(MBA) |
出身地 | : | 東京都 |
現住所 | : | 東京都 |
2008年
ボストン・コンサルティング・グループ入社
2014年
トヨタ自動車 総合企画部 出向
2015年
スタンフォード経営大学院 留学
2018年
ボストン・コンサルティング・グループ退社
JaSFA創業
2019年
YMFG Search ファンド投資事業有限責任組合設立
ボストン・コンサルティング・グループ時代に、大企業同士のM&AのビジネスDDやPMI計画策定に携わったことはありますが、企業同士のM&Aは専門分野ではありません。留学先で「サーチファンド」というモデルを知ったことがきっかけで、サーチファンドを通じた事業承継/事業買収に関わるようになりました。
サーチファンドとは、30代前後で経営者を目指す優秀な若者(=サーチャー)に対し、サーチャーが自分の継ぎたい会社を探す間の費用や継ぎたい会社が見つかった際の買収費用を、投資家が出資する仕組みです。欧米を中心に、海外ではアントレプレナーシップの一形態(買収を通じたアントレプレナーシップの発揮 = Entrepreneurship through Acquisition)として、トップMBA取得者を中心に人気が高まっています。
JaSFAは、日本初のサーチファンド/サーチャーへの投資/サポート機関として、2018年に立ち上げました。2016年の秋から活動を開始していましたので、法人化までの2年弱かかりました。「サーチャー」と呼ばれる個人の事業承継/買収を個人への投資家という立ち位置からサポートしており、これまで6人のサーチャーに投資をしてきました。うち4人については、継ぎたい会社が見つかり、事業承継に至っています。山口フィナンシャルグループと共同で、サーチャーへの投資を目的としたファンドを運営しており、またJaSFA単独でもサーチファンドへの出資を行っております。
直接のきっかけは、留学先のスタンフォード経営大学院がたまたま「サーチファンド」のメッカであり、そこでモデルの面白さと可能性を学ぶことができたことです。中小企業の後継者不足が社会問題化する中で、サーチファンドには大きな可能性を感じました。ただ、サーチファンドに人生を賭けてみようと思えたのは、それ以前の経験があったからこそだと思います。自分のなかにあったバラバラのパズルのピースが、「サーチファンド」を介してつながる感覚を覚えました。
一つ目のピースは、キャリアの視点です。コンサルタントとして、しっくりくるネクストステップが見つからずに悩んでいた自身の経験から、「サーチファンド」は若手の新たなキャリアパスになると確信しました。個人としても、サーチャーになってみたい、と思えましたし、興味を持つであろう友人や同僚の顔を具体的に思い浮かべることができました。
二つ目のピースは、経済効果の視点です。コンサルタントとして、大企業クライアントの案件に従事する中で、大企業やその周辺には優秀な人材が多数いて、一人の努力がどのようにボトムに効いているのか見えにくい点に、モヤモヤを感じていました。その点、中小企業であれば一人の貢献が見えやすく、また昔ながらの経営スタイルを維持しているような企業においては、より高い「改善率」を期待できるのではないか、と思いました。
三つ目のピースは、地域の視点です。スタンフォードに通い始め、カリフォルニア生活を満喫する中で、最初は「東京 vsカリフォルニア」を「日本vsアメリカ」と捉えていました。「アメリカは空が広く、自然がすぐ近くにあって、天候もよくて羨ましいなぁ」と思っていたある日、ふと、東京と比べるべきはニューヨークであり、ニューヨーカーの生活は東京人のそれと大きく変わらないのではないか、という考えが頭をよぎりました。日本にも、空が広くて空気が美味しく、自然が近くてご飯が美味しい場所はたくさんあります。カリフォルニアとの違いは何か、と考えたとき、日本の田舎にはグーグルがない。アップルもフェイスブックもハリウッドもない。他県から人を惹きつけるような仕事が圧倒的に少ないんだ、と思いいたりました。よく考えると、アメリカにはほぼすべての州に大企業が存在し、大学生は卒業後いろんな州に散っていきます。日本にも、全国各地に勢いがあって、新しくて、世界と直につながるような魅力的な企業があったら、敢えて東京に住む人は減るのではないか。日本全国に、一つでも二つでも、そういった元気な企業を作っていくことが、地方創生や日本の活性化、環境や生活の質向上に有効なのではないか。サーチファンドは、まさにそのような元気な企業をいろんな地域に作っていくきっかけになるのではないか。そう思い始めてから、サーチファンドにより没頭するようになりました。
サーチャーが興味をもった会社が出てきたときには、サーチャーの要望に応じて、事業の伸ばし方や適性な買収価格の考え方、資金調達のスキーム等を一緒に検討しています。また、アドバイザリーにとどまらず、事業承継後に弊社CIOが社外取締役として経営支援を行ったり、投資家としてモニタリングやアドバイスの提供を行ったりもしています。
M&Aアドバイザリーのずっと手前の段階になりますが、サーチファンドに興味を持ってくださるサーチャー候補の方がいらしたときは、その方の経験やキャリアビジョン、強み弱み等をお聞きしながら、サーチファンドが向いているのか、サーチファンドをやるとしてどんな形態で行うのが向いていそうか、等の相談にものっています。
弊社の強みは、主に3つあります。
一つ目は、実績です。現時点で、サーチャーの選定から投資、サーチ活動の支援と承継企業の買収、買収後の経営まで、サーチファンドの一般的な流れを経験している企業は我々と、共同でファンドを運営している山口キャピタル以外にありません。海外では、サーチファンドの専門投資家やアクセラレーターも多数存在しますが、JaSFAでは、欧米における一般的なサーチファンドの「型」を、日本の実情に合わせてカスタマイズしています。すでに6人のサーチャーに投資している経験から、日本におけるサーチファンドの知見を蓄積し始めています。
二つ目は、「共感力」です。サーチャーのボリュームゾーンは30代であり、サーチャーと私は年齢や経歴も近しいものがあることから、サーチャーに興味をもっていただく方のキャリア上の迷いや悩みに共感できることが多々あります。「投資家、アドバイザー」というよりは、「友人、同志」の立ち位置から、キャリア相談や投資後のサポートを行っています。このため、資金でつながったビジネスライクな関係よりも一歩踏み込んだ、「仲間」や「コミュニティ」を構築できていると思います。
三つめは、「サポート力」です。JaSFAでは、ボストン・コンサルティング・グループに10年在籍した代表の私に加え、ボストン・コンサルティング・グループからプライベート・エクイティに転職して多数のディールに関わってきたCIOがサーチャーのサポートをしています。日本でも屈指のコンサルティングとプライベート・エクイティの知見をフルにレバレッジいただくことが可能です。また、実業家、官僚、投資家、士業等、多岐に渡る方がJaSFAの支援を表明してくださっており、サーチャーの困りごとに応じて、適切なアドバイザーをご紹介することが可能です。アメリカを中心とした世界のサーチファンド・コミュニティともつながっており、サーチファンドの最新動向やサーチファンドならではの悩みに支援を仰ぐこともできます。多様な支援を受けることによって、サーチャーの活動を成功に導きます。
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