大久保 涼さんの写真

大久保 涼 おおくぼ りょう

日米のM&Aに精通する

生年月日 1975年
所属企業 長島・大野・常松法律事務所(ニューヨークオフィス)
役職 パートナー、オフィス共同代表
最終学歴 The University of Chicago Law School(LL.M)
出身地 東京都
現住所 米国ニューヨーク

目 次

キャリアサマリー

  • 1999年

    東京大学法学部卒業

  • 2000年

    長島・大野・常松法律事務所入所

  • 2006年

    The University of Chicago Law School 卒業(LL.M.)

  • 2006年

    Ropes & Gray LLP(Boston)勤務 (~2007年)

  • 2007年

    Ropes & Gray LLP(New York)勤務 (~2008年)

  • 2010年

    長島・大野・常松法律事務所パートナー (~2017年)

  • 2010年

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)契約監視委員会委員 (現任)

  • 2014年

    東京大学法学部非常勤講師(民法)(~2015年)

  • 2017年

    長島・大野・常松法律事務所ニューヨーク・オフィス(Nagashima Ohno & Tsunematsu NY LLP)パートナー・共同代表

1M&Aアドバイザーになった経緯

イメージ

 私は帰国子女ではありませんが、中学生の頃から英語の勉強が好きで、また当時日本の有力企業の重役だった祖父に海外からの来客が多かったことに子供ながら憧れていたことから、何の職業に就くにせよ、大人になったら世界を股にかける国際人として活躍することが将来の夢でした。弁護士になることが決まってからも、国際的な案件に関わりたかったので、当時クロスボーダー案件に強いと定評のあった長島・大野法律事務所(常松・簗瀬・関根法律事務所との合併前)の就職面談を受け、無事入所することができました。また、司法試験合格後、司法試験合格者の有志を募って、米国司法制度視察ツアーを企画してニューヨークの法律事務所などを訪問し、米国の法律実務の先進性に大変感銘を受けました。もっとも、長島・大野・常松事務所に入った時点では、自分が一体どんな分野の仕事をしたいのかについては、具体的なイメージがありませんでした。私の所属している長島・大野・常松法律事務所はいわゆる総合事務所であり、ありとあらゆるタイプの仕事がありました。特に、私が入所した2000年はちょうど、旧長島・大野法律事務所と旧常松・簗瀬・関根法律事務所が合併した年で、両事務所の融合を図るべく、業務分野横断的に両事務所出身の弁護士が同じ所内グループに属する仕組みになっていました。そのこともあって、私が弁護士になって米国に留学するまでの最初の4~5年に行った仕事は、キャピタル・マーケット(IPO)、債権流動化、不動産開発案件、M&A、一般企業法務、と現在の大規模事務所のアソシエイトではなかなか経験できないような、幅広い分野に及びました。もっとも、その中でも留学までの私が一番興味を惹かれたのは、クロスボーダーのM&A案件でした。弁護士1~2年目の頃は、インバウンド案件が盛んで、依頼者である買主米国企業の役員やGeneral Counselが、当時事務所のあった紀尾井町ビルの隣にあったニューオータニーホテルに泊まりがけでやってきて、事務所の会議室で1週間缶詰の交渉を相手方と行うのに同席する機会などがありましたが、当時は正直、目の前で喧々諤々と行われている交渉で一体何が問題になっているのかさっぱり理解できず、ただただ先輩弁護士がすごいなと思うばかりでした。これは当時は、まだM&Aの交渉についていける英語力がなかったことに加えて、今では本屋に溢れているM&A法務の解説本などが存在せず、全てon the job trainingで学ぶしかなかったことが主な原因です。当時は、日本にはまだロースクールもなく、法学部を卒業して司法試験の勉強をして、司法研修所を卒業しても、いきなり、working capitalによるpurchase price adjustmentが、とかindemnityのbasketがとか言われても、ちんぷんかんぷんな訳です(蛇足ですが、この思いがその後「M&Aの契約実務」(中央経済社)の執筆に参加する動機となりました)。その後、留学前の時期に私がもっとも強烈な印象を受けたのが、米系プライベート・エクイティー・ファンドによる2,000億円を超える規模の国内企業の買収案件でした。このころは私もそこそこ戦力になるようにはなっていましたが、米系事務所と一緒に仕事をし、米国の最先端のプライベート・エクイティのプラクティスを目の当たりにしたことで、やはり米国に留学して最先端のM&Aの実務を勉強したいという思いが強まりました。
 私がシカゴ大学ロースクールを卒業後に2年間出向したRopes & Grayという事務所は、米国ボストンに本部がある歴史のある事務所で、特にプライベート・エクイティの分野で強いと定評がありました。当時はちょうどリーマン・ショックの直前でプライベート・エクイティ・ファンドによるM&Aは過去にない盛り上がりを見せており、事務所は出向者である私を含め猫の手も借りたい状態であったことが幸いし、非常に忙しく働くことができました。そこで、私は、本場のプライベート・エクイティ・ファンドによる買収案件や買収ファイナンス案件に米国弁護士の1~2年生として関わることができたのですが、当然日本での5年間の実務経験があるので、アメリカ人のロースクール上がりの1~2年生よりは役に立てていると思えることも多く、米国でもやっていけるのではないかと思うとともに、日本に比べてより精緻かつ進んでいる米国の実務に再び感銘を受けました。また、出向2年目はRopes & Grayのニューヨークオフィスに所属しニューヨークに住みましたが、東京生まれの私としては東京を超える都会を初めて見たということもあり、ニューヨークの街のダイナミックさに心惹かれ、2008年に帰国が決まった際も、将来機会があればまたいつかニューヨークに帰ってきたいと心に誓ったものでした。
 3年の米国生活を経て2008年に帰国後は、主に、外資系プライベート・エクイティー案件(買収及び買収ファイナンス)とクロスボーダーM&Aを中心に業務を行ってきましたが、2017年秋に、当事務所のニューヨークオフィスの共同代表の役を引き受けることになり、再びニューヨークに戻ることになりました。私が長島・大野・常松法律事務所に入所した頃は、日本の法律事務所が海外にオフィスを持つなんてことは想像すらできない世界でしたので、人生どうなるか分からないものです。

2今現在の業務の概要

 長島・大野・常松法律事務所のニューヨークオフィスは、現在日本法弁護士7名(うち6名はニューヨーク州弁護士の資格あり)と弁国弁護士2名の体制で、①日本の依頼者の米国におけるビジネスのサポートと、②米国の依頼者の日本におけるビジネスのサポートを行っています。私は、M&A、コーポレート、バンキング、金融レギュレーション、テック系(宇宙ビジネスを含む。)、不動産投資案件など主としてディールものを扱っていますが、もう1人のオフィス共同代表パートナーは訴訟、仲裁、労働法、知的財産、コンプライアンスなどを扱っており、アソシエイトにはキャピタル・マーケットに詳しいものもいるなど、ニューヨークオフィスは、単なるレップ・オフィスではなく、主な分野をカバーした小さな総合事務所となっていますが、税務・競争法・知的財産権などの専門性の高い分野については、400名以上の弁護士を有する東京オフィスのこれらの分野を扱う同僚のサポートを得て、質の高いサービスを提供しています。
 私自身の業務は、主に外資系プライベート・エクイティの仕事をしていた東京時代よりも多様化しており、従前から携わっていた外国企業による日本企業の買収案件(インバウンド案件)に加えて、日系企業によるアウトバウンドM&Aの比率が増えています。規模の小さな米国のローカルな会社への出資案件から、上場会社のTOBによる100%子会社化案件まで多岐に及びます。また、米国に投資するに当たっては、最近は、CFIUSによる外資規制、米中摩擦で注目を浴びている輸出規制、個人情報保護法なども関連してくるため、これらに関するアドバイスも頻繁に求められています。
 私を初めニューヨークオフィスのメンバーは、ニューヨーク州弁護士の資格も持っており、また、当事務所ニューヨークオフィスには米国人弁護士もいますので、米国法に関するアドバイスも行っていますが、米国の法律は非常に専門化しているので、専門的な知見が必要とされる場合には、各分野の専門家である外部弁護士と協働します。案件の規模や、相談内容、関係する州における各専門家弁護士とのコネクションを有していることが、長年の歴史を有する当事務所ニューヨークオフィスの強みです。

3独自の強みと今現在の仕事との関係性

 日本の企業が米国でのM&Aやその他のディールを行う場合に、法律事務所の起用の仕方はこれまで主に3通りありました。第一に、日本の本社から東京に拠点を有する外資系の法律事務所に依頼をする場合です。東京の拠点には日本語を話せる米国弁護士や何人かの日本人弁護士がいる場合も多くあります。第二に、米国子会社などの米国拠点の駐在員からいわゆるJapan Practiceを有する米国の法律事務所に頼む場合です。ここでも日本語を話せる米国弁護士がいて日本語によるサービスが受けられることが魅力です。第三に、米国子会社などの米国拠点でインハウス・カウンセルとして雇っている米国人弁護士から、その米国人弁護士が知っている米国の法律事務所に頼む場合です。いずれの方法も間違っていませんが、我々は第四の方法を提供します。それは、米国法務に明るい日本の事務所に頼むことです。我々の強みとしては、日本の企業の考え方や日本の実務を外資系の法律事務所よりも圧倒的に分かっていることが挙げられます。そして、日米での実務経験から日本の企業が陥りやすい罠を早い段階から察知し、指摘することができますし、米国法上の問題について、日本法との違いという観点からの説明が可能であり、また専門的な分野については数ある米国の事務所からその案件に応じた最高の弁護士チームを選択して共同作業することができます。上記第一の場合の外資系事務所の東京オフィス、第二の場合のJapan Practiceチームとやっていることはある意味似ています(彼らは裏にいる各分野の専門家の米国弁護士を統率することが仕事です。)が、第一・第二の場合は連絡担当が主に日本語が話せる米国弁護士であるのに対して、我々のチームは日本の弁護士としての経験も豊富な日本人ですので、よりスムーズかつミスコミュニケーションのない案件進行が可能になります。また、裏に付ける専門家チームについても、我々であれば同一事務所という枠にとらわれず、最良の米国事務所に頼むことが出来ます。さらに、日本人弁護士は残念ながら国際的に見て英語力に乏しい傾向にありますが、当事務所ニューヨークオフィスにはバイリンガルなメンバーが集結していますので、その点での心配もありません。他方、上記第三の場合は、インハウス・カウンセルと依頼先の外部事務所のコミュニケーションについては問題がないものの、インハウス・カウンセルも米国弁護士なので、気がつくと日本の本社の意向とは全然違う方向に行ってしまったりということが生じえます。従って、本社として、米国で行う案件の内容やリスクを正確に把握してコントロールしておきたいということであれば、この方法は危険である場合があります。

履歴書検索

Search

性別
年代
職業
役職
出身地
現住所
フリーワード検索

新着特集

Feature

特集一覧を見る