幅広い分野の事業において、仕事を通じてお客様を笑顔にする
生年月日 | : | 1970年12月12日 |
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所属企業 | : | 弁護士法人大江橋法律事務所(東京事務所) |
役職 | : | パートナー弁護士 |
最終学歴 | : | University of Virginia School of Law(LL.M.) |
出身地 | : | 東京都 |
現住所 | : | 東京都 |
私が初めて主任弁護士として仕切ったM&A案件で、クライアントに高く評価していただいた経験が、自分の原点になっています。
外資系法律事務所に移籍してまもなく、知人が務めていた日系プライベート・エクイティー・ファンドからMBO案件の依頼がありました。当時は、日本のプライベート・エクイティーは黎明期であり、事務所の先輩もあまりよく分かっておらず、事実上案件の仕切りを任せていただきました。対象会社の全資産を担保にして銀行から買収資金を調達して買収を行うというLBO(レバレッジド・バイアウト)スキームは、当時の最先端であり、クライアントのご担当に色々と教えていただきながら、四苦八苦でなんとか案件をクローズさせました。クライアントとの打上げの席で、そのご担当の方から、「関口さんには本当によくやってもらいました。ありがとうございました。」と仰っていただけたのが、本当に嬉しかったです。
クロスボーダー案件は、国内案件よりも破談になる確率が高いのですが、やはりコミュニケーションや当事者双方の期待値のギャップが大きな原因であると感じます。
海外と言っても、米国、欧州といった先進国の相手方と、東南アジアや中南米といった新興国の相手方とでは、DDやコンプライアンス、人事・雇用に対する考え方、さらには案件のスピード感への期待値が異なります。日本人的な感覚・常識で物事を図ってしまうと、相手方の期待・思惑を読み違えたり、こちらの意図が誤解されたりして、ディール・ブレイカーになることもあります。クロスボーダー案件に関わる弁護士としては、クライアントである日本企業(外国企業)と相手方である外国企業(日本企業)との間のコミュニケーションや期待値のギャップをいかに埋めていくか、という役割が重要だと思います。クロスボーダー案件では、ボタンが掛け違わないように、依頼者や相手方がなぜこのような要求をしているのか、何を言わんとしているのかを慎重かつ迅速に見定め、依頼者・相手方双方に対してどのように説明するのが一番「ささる」のかを、常に考えます。
こういう思考の過程は、必ずしも成果物に現れるわけではないので、クライアントにどこまで満足していただいているのか、悩ましいと感じます。自分なりに案件を円滑に進めるために真摯に考えて、クライアントに寄り添ってアドバイスする姿勢をどこかで感じていただければ、と思いながら、日々仕事をしています。
弁護士個人の資質としては、職人的なタイプよりも、プロデューサーのようなタイプが向いていると思います。M&Aは総合芸術です。何法の専門家、という括りではなく、関係する様々な法分野についての横断的な知見と、案件全体を鳥瞰できる視点が必要です。財務DDや税務DDの問題点も最終契約に盛り込んでいくので、財務や税務についても最低限の知見が必要です。また、当然ですが、契約交渉のスキルも求められます。
組織としては、法務DDを自前で行うことができる最低限のマンパワーと、各種アドバイザリーと連携できるネットワークが必要です。クロスボーダー案件に対応するためには、独自のグローバル・ネットワークが必要です。
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