クロスボーダーM&Aを通して日系企業のプレゼンスを向上させ、国際社会に貢献したい
生年月日 | : | 1986年8月26日 |
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所属企業 | : | CaN International FAS 株式会社 |
役職 | : | 取締役 |
最終学歴 | : | 京都大学経済学部 |
出身地 | : | 大阪府大阪市 |
現住所 | : | 東京都港区 |
2009年
公認会計士試験合格
2010年
有限責任監査法人トーマツに入所
2014年
CaN International Advisory 株式会社に入社
2015年
CaN International Advisory (Thailand) Co., Ltd.を立ち上げタイ法人代表に就任
2020年
CaN International FAS株式会社の取締役に就任
現在は、クロスボーダーM&Aに関する財務デューデリジェンス(DD)、株式価値算定業務、買収後の統合(PMI)支援業務、組織再編に関するコンサルティング業務を担当しています。その他、国際税務、現地国における会計・税務等の領域で、経営課題の抽出からソリューションの提供、実行支援まで日系企業の海外進出をさまざまな側面からサポートさせて頂いています。
多くの会計士同様、大手監査法人での会計監査業務からキャリアをスタートさせました。そして、国際会計事務所であるCaN International東京事務所に転職して1年もたたない2015年に、CaN Internationalタイ法人の立ち上げの機会が巡ってきました。当時日系企業によるタイや周辺の東南アジア諸国への投資が盛んで、現地でのサービスを拡充したいという会社の方針とわたしの海外で働きたい、海外事業を経験したいという思いがマッチしました。バンコクには提携先のパートナーがいるのみという、まさにゼロからのスタートでした。
クライアントへのサービス提供のみでなく、新規顧客開拓のための営業、従業員の採用活動やオフィス探しも並行して行う必要があったため、赴任当初は毎日、バンコク中を駆け回っていました。海外勤務は勿論、会社経営もはじめてで、事業計画の立案や総務・労務管理といった業務も経験しました。組織を効率的に運営するために、どの程度権限移譲を行うべきか、個々のプロジェクトにおける作業効率と組織全体としての作業効率をどのように向上させるか、組織として安定して質の高いサービスを提供するための人材採用と教育をどのようにすればよいか、スタッフの成長と動機付けのためのアサイン方法など、悩みはつきず、試行錯誤する毎日でした。今振り返るとタイでのこうした経験によって、経営者としての目線が養われましたように思います。
2018年には、東部経済回廊(EEC)に指定された投資奨励地区であり、日系企業が多く進出している工業団地が集まるチョンブリー県に支店を開設しました。今後、EECへの投資が増えると考えられるIT業、サービス業や既存の製造業に対して現地で会計・税務サービスを提供できる体制をいち早く整えるためです。
そして、2020年に日本に帰国して現職に就きました。
CaN Internationalに入社してはじめてM&Aアドバイザリー業務に従事するようになりました。CaN Internationalには海外で働きたい、海外事業を経験したいという思いで入社し、入社してからは日系企業の海外進出を主に会計面、財務面、税務面からサポートしてきました。海外進出の方法には、大きく分けて自前で現地法人などを設立する方法と、現地企業を買収する方法があります。CaN Internationalではいずれの方法による進出もサポートしているのですが、クロスボーダーM&Aは会計士の強みを活かせる業務であること、また、自身が興味のあった分野でもあったことから多くの案件に関与させてもらいました。はじめてのM&Aアドバイザリー業務ということに加え、関与する案件のほとんどが新興国のクロスボーダー案件であったため、チャレンジングな業務のなかで学ぶことが多く、毎日が新鮮であったのを覚えています。
主にクロスボーダーM&Aに関するDD、株式価値算定業務、組織再編に関するコンサルティング業務を担当しています。また、グループ内の税理士法人と連携して、税務上の検討を踏まえて投資スキームの検討アドバイスを行うこともあります。
クロスボーダーM&A案件では、私は主にプロジェクト全体のコーディネート業務を担当しています。具体的にはクライアントや対象会社、ファイナンシャルアドバイザー、法務DDチームと直接コミュニケーションを行いながら、現地専門家に対するインストラクション、成果物のクオリティコントロールなどを手掛けています。また、現地往査に参加し、資産の現物確認やマネジメントへのインタビューを行うこともあります。
CaN Internationalはクライアントの業種および規模が多種多様であり、またクライアントとの距離も近いため、各コンサルタントにはサービスラインをまたいでさまざまな相談が寄せられます。そのため、特定分野の専門家というよりも、幅広い知識、コミュニケーション能力、プロジェクトマネジメント能力などが問われる総合的な専門家としての役割が求められます。
私の強みの1つは多様な価値観に対して柔軟に対応できるという点だと考えています。学生時代、アジアだけでなく欧米諸国を旅した実体験から、世の中には多様な慣習、考えがあることを知りました。特に新興国と先進国では生活環境、生活水準が違うだけでなく人々の習慣、考え方も大きく異なることを実感しました。タイでの約5年間の勤務期間には、タイ人スタッフを20名ほどマネジメントしました。私はタイ語の原文が流暢には読めないため、タイ人スタッフや他のタイ人の専門家から得られる情報と外部情報などを合理性・整合性の観点から検討することによって品質管理を行わざるを得ません。そのため、一次情報に接するタイ人の協力がなければ質の高いサービスを提供することは難しく、彼らを尊重して積極的にコミュニケーションをとる必要がありました。品質管理とタイ人モチベーション維持のバランスをとるためには、多様性を受け入れることが重要であることを学びました。また、クロスボーダーM&Aでは、対象会社のオーナーやキーパーソン、ファイナンシャルアドバイザーも外国人であることが多く、外国人と接する中では多様性に対する理解が重要になります。タイで多様性に触れた経験がクロスボーダーM&Aアドバイザリー業務でも活きています。
また、ポジティブという点が挙げられます。M&Aを進めるにあたって、海外案件では特に多くの問題が発生しますが、問題に対して消極的になるのではなく、そうした問題解決のための具体的なアクションプランを積極的に考えることが重要になってきます。M&Aアドバイザリー業務に限らず、コンサルティング業務を行う上でも同様です。困難な状況に直面した時こそポジティブであることが重要だと考えます。ある意味で楽観的なくらいがアジアで生活していくにはちょうどいいのかもしれません(笑)。
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