井上 舞香さんの写真

井上 舞香 いのうえ まいか

M&Aを戦略からPMI後まで一気通貫でサポート。 そして、日本企業にM&Aの知見を還流させる存在に。

生年月日 1987年3月13日
所属企業 MAVIS PARTNERS株式会社
役職 マネージャー
最終学歴 一橋大学法学部
出身地 東京都
現住所 東京都

目 次

キャリアサマリー

  • 2009年

    三菱UFJリース株式会社

  • 2014年

    マーバルパートナーズ株式会社(現PwCアドバイザリー)

  • 2016年

    株式会社ベイカレント・コンサルティング

  • 2019年

    MAVIS PARTNERS株式会社

 私が新卒で入社したのは、三菱UFJリースという総合リース会社で、最初に配属されたのは法人営業部でした。地道にリース営業をして、時には数字に追われ、稟議で徹夜して、そして毎日のように飲みに行き・・という生活をしていたら、3年目の時にいきなり経営企画に異動になりました。
 そして、経営企画で初めてM&Aの世界に出会いました。私が異動してからほどなくして、米国の航空機リース会社買収、インドネシアのオートリース会社の買収などのクロスボーダー案件に当事者として携わることができました。
 その後、M&Aコンサルタントになるべく、転職。しかし転職してから1年くらい経ったとき、転職した会社が、PwCアドバイザリーに買収されるという事件が起きました。
 そういうわけで、私は、当事者として「買う側」、「売られる側」両方を経験したという珍しい経歴の持ち主かもしれません。そんな経験を活かし、かれこれM&Aコンサルタントになって7年が経ちます。

1なぜM&Aコンサルタントに転身したか

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 私がM&Aコンサルタントになって理由は2つあります。
 一つは、コンサルタントへの憧れでした。
 当時、経営企画としていくつかのコンサルティング会社の方とお付き合いがあったのですが、あるコンサルティングファームに、インドネシアのオートリース案件のビジネスDDを依頼したところ、現地に根付いた生々しい調査結果が出てきて、とても驚いたことがありました。自分と同じくらいの歳のコンサルメンバーの方もおり、正直焦りました。経営企画にいると、社内政治の中での立ち回り方や調整業務は上手くなっていくのですが、自分の世の中における価値がどの程度あるのだろうか、そんな疑問にぶち当たったのです。
もう一つは、もっと日本企業のM&Aのレベルを上げたい、という想いでした。
 今思えば、とてもおこがましい考えだったなと思いますが、当時自分の会社のM&Aに携わっていて、やはり色々なところで“ほころび”のようなものがありました。
 例えば、最後の最後で入札に勝つために、価格を正当化するためのシナジーを積み増したり、ディールまでとPMI以降の組織が分断されていることで、PMIに携わるメンバーにとても苦労させてしまったことなど、様々なところで、「本当にこれでいいのだろうか」という想いが募っていました。しかし、社会人5年目の平社員がそれらを変えられるほどの力はありませんでしたし、そんな風土でもありませんでした。
 一方、社会人5年目の年次で、M&A経験があるという経歴は強みになりうるとも考えました。そこで、「会社に頼らず一人でも生きていけるような人間」になるべく、M&Aコンサルタントになろうと転職を決めたのです。

2現在のM&Aコンサルタントとしての仕事と強み

 「M&Aコンサルタント」といっても、我々は「M&Aありき」ではありません。
 あくまで、「クライアントファースト」。M&Aは、お客様のビジョンを達成するための一つの手段であって、目的ではありません。従って、クライアント企業の戦略策定のお仕事をする中でも、戦略の実現手段として、まずは「自力」でできないのかを検証します。やはり、M&Aが絶対に成功する補償はありませんし、リスクもあります。「自力」でできるに越したことはないのです。結論として、M&Aという手段に至らずとも、クライアントにとって最適な手段を見出すことが我々の仕事だと思っています。
 そして、我々がお手伝いするのは、買収前だけではありません。我々は、「M&A戦略立案からPMI以降まで」の工程を一貫して同じメンバーでお手伝いすることができます。特に、「セカンドPMI」といった活動をご支援できることも特徴です。「セカンドPMI」とは、買収後5年~10年経った後に、“PMIのやり直し”をするというものです。往々にして、買収直後のPMIでは目先のオペレーションを回すためのインフラ整備等、ハード面の統合に偏りがちです。しかしそこでやりきれなかった、ソフト面のPMIが、後々業績不振等のような形で表面に現れてきます。
 「買収後判明したことをもとに戦略を立て直さなければいけないのに、買収前の戦略が踏襲されている」、「出自の異なる企業の考え方が交わらず、需給管理の考え方や基準がバラバラ」、「リストラが絡む工場再編や拠点再編に感情的な理由で手がつけられない」・・など、買収後数年経ってから、こういった悩みを打ち明けてくださるお客様は多くいらっしゃいます。
 見方によっては、買収後数年たったら、それは通常の戦略策定、業務改善業務なんではないか、と思われるかもしれません。ただ、問題の根本を探ると、出自の異なる人々の考えや想いが複雑に絡み合っている。そういったソフト面をないがしろにして、教科書通りのコンサルのフレームワークを当てはめても、上手くいかないですよね。私の場合は、買う側・買われる側両方を経験しているからこそ、クライアントや対象企業の視点に立ったアプローチをとることができると考えています。

3M&Aコンサルタントとしての存在意義

 最近、私はセールスとして初回訪問から提案までの役割も担うようになり、気付いたことがあります。M&Aまわりで困っている人はまだまだたくさんいる、ということ。
 大企業である程度M&Aをこなしてきた企業は、多かれ少なかれ失敗も経験し、教訓を導き出し自社のM&A力を向上してきていると感じます。一方で、年商1,000億円未満の企業では、これまで殆どM&Aを経験してきていない、けれども更なる成長のためにはもう自力では厳しい、ということでM&Aを検討されている企業がまだまだあります。
 ただ、過去日本企業がM&Aでなぜ失敗したのか、というのは個別事例ベースではあまり公にはされないですよね。なので、これからM&Aをしようという人たちは、本やセミナーで教科書的なことを学ぶしかない。そこで、私たちが、日本企業の中で、M&Aの知見や事例を還流させる役割を果たせればいいなと思っています。やはりお客様とお話していても、生々しい具体事例の中で、どうやって解決したかをお話しすると、手元にメモをして頂けますし、私も「よしっ」と思いますね。
 世の中、M&Aのディール部分で関わる専門家やアドバイザーの方は多い。戦略立案やPMIとなると色々なコンサルティング会社がサービスを提供しています。そんな競合ひしめく中ではありますが、我々は、もっと身近で、気軽にM&Aまわりの悩みを相談できる存在でいたいと思います。

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