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江端 重信 えばた しげのぶ

長年の紛争解決の経験も活かし、M&Aそのものだけでなく、M&A前後の課題解決を総合的にサポート

生年月日 1976年11月11日
所属企業 三宅坂総合法律事務所
役職 パートナー弁護士
最終学歴 東京大学法学部
出身地 東京都
現住所 東京都
その他 会社法研究会(第二東京弁護士会)

目 次

4達成感を感じた体験

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 M&Aの検討や交渉は秘密裏に進むのが通常であり、関与メンバーも限られています。そのような中で、買手側・売手側を問わず、重責を負っていらっしゃる企業の担当役員や実務担当者の方々、財務デューディリジェンスを担当される公認会計士・税理士やフィナンシャル・アドバイザーなどの専門家の方々と膝を突き合わせて苦労して案件に取り組み、無事にクロージングに至ったときには、やはり大きな達成感があります。
 また、M&A後に、相手方から全く別の案件でご依頼をいただくケースがあります。契約交渉や法務デューディリジェンスにおけるインタビューの際の私の働きぶりを見てご依頼いただくのだと思いますが、そのようなときには、相手方の立場にあった方でもこちらの働きぶりを評価していただけたのだなと思い、嬉しく感じます。

5仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

 買手や売手がリスクを過小評価したり、その逆に過大評価したりする場合があり、リスクの度合いを適切に理解してもらうことに苦労することがあります。
 この点については、丁寧で分かりやすい説明を粘り強く続けていくことにより対処しています。また、特にM&Aが初めてあるいはM&Aの経験があまりないクライアントの場合には、会社法の基本的な考え方、M&Aにおける手続の流れや一般的に問題となることが多い点などについて、案件の初期段階できちんとレクチャーを行い、今後の進行や生じ得る事項についての相場観を持っていただくことができるように気をつけています。

6M&Aアドバイザリーに求められる資質やスキルについて

 弁護士としてM&Aに関する法令の知識を有し、それを常にアップデートしていくことは当然必要になりますが、その上でリスクや問題点の案件全体における重要度の高低を見極める能力が大事だと考えています。例えば、法務デューディリジェンスにおいては、細かなリスクも含めて拾い上げる必要がありますが、発見されたリスクについて、それがどの程度重大なリスクなのか、リスクが顕在化する現実的な可能性はどの程度あるのか、リスクが顕在化した場合の影響はどの程度のものなのか、訴訟になった場合の立証の難易度などをきちんと分析することが必要です。契約交渉の場面でも、相手方との交渉事項のうち、どの部分がクライアントにとって重要性が高いのかを正確に理解した上で、交渉上どの事項は死守する必要があるのか、どの事項は譲歩し得る余地があるのかを判断し、それをクライアントに理解してもらう必要があります。リスクを過小評価することは弁護士としてあってはならないことですが、細かな点に捕らわれすぎてリスクを過大視し、「木を見て森を見ず」の対応になってしまうと、クライアントにとって有益な案件まで妨げてしまうことにもなりかねませんので、リスクを適正に評価するバランス感覚を持つことが重要だと思います。
 また、知的好奇心を持って、クライアントや対象企業のビジネスの構造を深く理解することも必要になると思います。ビジネスの構造をよく理解できれば、当該ビジネスに特有のリスクをより炙り出すことができ、より実践的なリスク評価が可能になります。また、法務デューディリジェンスにおいては、スケジュールや予算の制約などから、調査項目を重要な項目に限定して調査を実施することが少なくないですが、そのような場合も、対象企業のビジネスの構造をよく理解していないと、重要な項目を適切に洗い出すことができないということになりかねません。

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