クライアントと同じ目線で、志と情熱を持ってクロスボーダーM&Aをサポート
生年月日 | : | 1978年5月6日 |
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所属企業 | : | 株式会社ASPASIO |
役職 | : | 取締役 マネージングディレクター |
最終学歴 | : | 早稲田大学大学院ファイナンス研究科(MBA) |
出身地 | : | 福岡県 |
現住所 | : | 東京都 |
案件数が自分の体力的なキャパシティを超えていたことがありました。具体的には欧州、東南アジア、国内のコンサル業務を含め、自分が担当のプロジェクトが7、8件、同時に走っており、また同時期、加盟ネットワークの活動として、国際会議でアメリカに行く必要もありました。人生を通してあのような経験はもうないと思いますが、ピーク時は約1週間で欧州・アメリカ・アジアの6カ国を飛び回り、朝会議して午後飛行場に向かうといった日々を過ごすこともありました。
どれも難易度の高い案件でしたが、周りの方々に助けていただきながら、案件・業務をひとつずつ完了させていく達成感は非常に大きかったです。
そして、その時に強く感じたのが、クライアント、専門家、社内メンバーがチーム一丸となって案件に取り組むというM&Aプロジェクトの素晴らしさです。心が折れそうになっても、チームメンバーの励ましや気遣いがあり、おたがいにフォローしながら案件を進めることで、チームとしての達成感を味わうことができたように思います。
ASPASIOを立ち上げた当初は、特に海外案件のオリジネーション(案件発掘)について、毎日試行錯誤し、深く悩んでいました。M&Aの初期フェーズにおいては、売り案件となる情報、買いニーズとなる情報をどれだけ持っているかが重要ですが、立ち上げ当初はゼロからスタートでしたから。
ただ、弱音を吐いていても始まらないので、まずは動くようにしました。アジアを中心に、インターネットや政府公表の企業情報などを抽出しては、片っ端からコンタクトを取り、現地に会いに行くということを繰り返しました。基本的には知らない会社に行くので、想定外の事態に直面することもありました。ときにはタクシーで到着したところが、スラム街の一角だったこともあったくらいです。
他方、日本側のアポイントについては、最近は代表の連絡先を開示していない会社も多いので、HP上の中途採用窓口、お客様相談室、修理受付などの連絡先を見つけては連絡し、マネジメントやM&Aの所管部署に繋いでもらおうとしたこともあります(いずれも軽くあしらわれ、繋げてもらえませんでしたが……)。
そうした行動の甲斐もあり、1年経つ頃には、玉石混交ながら、海外売り案件の情報が500件近く、国内買いニーズの情報が200件近く集まりました。もちろん、これらを案件化していくのはさらに難しいのですが、こうしたネットワークを広げることができたこと自体が大きな前進でした。実際、なかには花咲く案件もあったり、その際に知り合った方から別の切り口のご依頼をいただいたりしています。
資質という点では「飲み会(10人超)の幹事からの招待メールが届いて、即座に返信できる人」が向いていると思います。その手のメールが届くと「時間がある時に後で返そう」「他に誰が来るのだろうか(Aさんが来たら嫌だな、Bさんは来てくれるかな)、もう少し様子をみよう」「2週間後の予定かぁ、予定が見えないからもう少し待とう」といった思考パターンになる人も多いと思いますが、そういった方は肝心な案件のときも「先延ばし」「他者依存」「リスク回避」してしまうのではないでしょうか。M&Aディールの最中ではスピーディーにリスクをコントロールしながら、自身の言葉でアドバイスをしていくことが求められるので、全員に当てはまるとは言いませんが、飲み会の返事が早い人にはそういった資質があるように感じます。
スキルという点ではいろいろなタイプのアドバイザーがいるなかで、どういったタイプのアドバイザーを目指すかということで異なるかと思います。ファイナンス(財務)のアドバイザーという観点でいうと「埼玉の学習机製造販売会社、従業員20名。以上の情報でBS、PLを作ってください」といった類の問いに解答できるかどうかが大切です。
仮説ベースになりますが、たとえば、従業員数の制約から概ねの売り上げが試算できますし、その規模感や地名から必要な敷地面積・坪単が分かり、採算を取るための原価などを計算できます。また、業界水準の回転率などから営業債権債務の残高も見えてきます。最低限の数字やデータの背景にあるストーリーを読み取れるかどうかが肝要なのです。
実際、M&Aの過程では相手方との情報の非対称があるため、財務情報に限らず、仮説ベースでも概ねの数値感を持っておくことが必要です。交渉においても相手が真意を隠していることが多いので、少ない情報から多くを知る必要があるのです。
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