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大矢 和秀 おおや かずひで

クライアントにとっての真の価値と、よりよいベトナム社会の実現のために

生年月日 40代
所属企業 西村あさひ法律事務所(ホーチミン事務所)
役職 パートナー、ホーチミン事務所代表
最終学歴 Duke University School of Law (LL.M.)
出身地 埼玉県
現住所 ベトナム ホーチミン市

目 次

4達成感を感じた体験

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 私がベトナムに赴任した2013年当時は、ベトナム不動産市場の潜在性が高く評価され、日系デベロッパーを含む外国投資家が旺盛な投資意欲を持っていたにもかかわらず、空き地があちこちで放置されている状況でした。ベトナムで長年活動している外資系建設会社でも、不動産開発案件はやったことがないというところが多い状態でした。需要も、それに応える資金も存在したにもかかわらず、参入が阻害されていた要因の一つは、複雑すぎるベトナムの不動産法規制でした。特に、ベトナムの複雑な不動産法規制を外国人に分かり易く説明できる法律の専門家が少ないことが大きな阻害要因であると感じました。そこで、私は、ベトナム法弁護士のサポートの下、ベトナムの不動産法制に詳しい法律専門家として、日系デベロッパーが必要とする精緻な法的リスク分析を提供すると共に、M&Aの手法も用いることで、我々を信頼してくれたクライアントと共に、この時期に先駆けとなるいくつかの不動産開発案件をクロージングまで導くことができました。こうしていくつかのモデルケースができた後の日系企業を始めとする外資系企業のベトナム不動産市場への進出は目覚ましいものがあり、今では都市部で開発に適した土地を探すのは困難なほどです。空き地だらけだったベトナムの街が日々発展していくのを目にして、そこに微力ながら自分も貢献できたのではないかと考えるとき、ある種の達成感を感じます。

5仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

 わずか10年で、ベトナムにおけるスタートアップから、マーケットにおけるリーディングファームの一角にまで成長しましたので、苦労の連続でした。法の支配を礎とする豊かで公正な社会を実現することを基本使命に、すべての関係者の皆様に「Leading You Forward」をお約束し、クライアントと社会の発展に貢献する、そうした理念を共有できる多くの仲間に支えられて、何とかここまで乗り越えることができました。辛い時期を支えてくれた家族にも本当に感謝しています。

6M&Aアドバイザリーに求められる資質やスキルについて

 ベトナムでのM&Aアドバイザリーには、①ベトナム(ローカル)の法規制、実務への深い造詣と、②グローバルスタンダード、日系企業の特殊性に寄り添った視点の両方が必要だと思います。ローカルの規制、実務に詳しくないと、案件を前に進めることができないのは言うまでもありません。極論をしてしまうと、ベトナムでは何らかの法的リスクはほぼ常に存在しますので、実務やリスクマグニチュードまで踏み込んでアドバイスできないと何の価値もありません。他方、何でもローカルの言う通りにしていると、ベトナムのような新興国では大きなリスクを抱え込んでしまうことになりかねません。日系企業として、グローバル企業として、取ってはならないリスクはきちっと明確に伝える、そうした絶対的な感覚も、新興国においては非常に重要になってきます。

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